大田原市にて築45年以上経つ、歴史あるお宅に雨漏れ修繕工事にお伺いしました。
雨漏れを察知してから数年間放置してしまっていたとの事でしたが、近年起こる台風や豪雨の規模が大きくなり、以前より雨漏れ被害が拡大してきている事から修理の決行を決心されたそうです。
雨漏れ箇所は、棟部・平部・谷部の大きく３つの部位からとなります。
早い話がこちらの玄関屋根、ほぼ「全面的に」雨漏れしている状態です。
まずは雨漏れ被害が一番深刻な谷部から着手していきます。
谷部の加工した平瓦を解体し、その下部にある谷板金を剥がしていきます。
谷板金に穴が開き、そこへ長年の雨水が流れ込んでおり、ルーフィング（防水シート）と野地板が傷み、場所によっては腐食している状態でした。
腐食している野地板を取り除き、新規野地板を施工した後、新規ルーフィングにて防水補強（増し張り）をしていきます。
次に新規谷板金を納めていきます。
使用する谷板金はガルバリウム鋼板製で、アルミと亜鉛の合金となり耐候性・耐錆製に優れた金属となります。
谷板金を納めた後は、谷板金の上に被る加工した平瓦を納め直していきます。
その際に南蛮漆喰で雀止めの措置を施していきます。
この工事に不備があると、後に雀が巣を作ってしまうことがあります。
既存の下葺き材は剥がさず、その上から新規下葺き材を増し葺き（重ね葺き）していきます。
ルーフィングを施工し、瓦桟木という瓦を引っ掛けるための部材を下地に固定していきます。
弊社で使用する瓦桟木は、防腐処理と水抜きの穴あけ処理が施されているものを使用しており、万が一瓦から雨漏れしても、スムーズに排水し、桟木が腐ることを防ぎます。
下葺き増し張りが終わったら、既存平瓦を葺き直していきます。
その際、平瓦を全てステンレス製釘で緊結していきます。
平瓦、勝手瓦を葺き直し終えたら、棟を積み直していきます。
等間隔に耐震杭を棟木に打ち込み、そこへ被覆鉄筋を緊結します。
さらにそれへ熨斗瓦と５寸紐丸瓦を全て銅線で緊結していきます。
これが耐震・耐風工法による棟の積み直し工事です。
この工法で施工した棟は加速度が掛からない１G状況下で、３６０°回転させても崩れない様になり、大きな地震や台風に耐える仕様となります。
全ての工事が完了した様子です。
これで近年起こる甚大災害にも耐えられる屋根として仕上げられました。
今回の様に屋根全体ではなく、互換性の違った屋根材でも部位ごとの修繕が可能ですので、お困りごとがございましたら、なんなりと弊社「やねうち」までご相談ください。
