さくら市の腰葺き屋根のお客様から屋根からの雨漏れ修理のご相談を頂きました。
すでに何業者か修理は依頼されたそうですが、いまだに改善の兆しがないそうです。
まずは散水調査により雨漏れの箇所を割り出します。
こちらが雨漏れをしている箇所となります。水の侵入を確認できました。
雨漏れ部位の名称は「棟違い」。
棟と呼ばれる部位が二つに分かれ、段違いになっていることからこの様に呼ばれているようです。
今回、その銅板屋根と瓦屋根との取り合いからの雨漏れが確認できました。
相互の屋根の納めに難点があったことが雨漏れの要因になっていると判断しました。
まず、相互屋根の取り合い部分を部分的に解体していきます。
今回、板金屋根との取り合いに難点があるので、板金屋根を撤去し、その分を瓦屋根を延長する形で納め直すことにしました。
下葺き(ルーフィングと瓦桟木)を施工し、瓦を施工出来るように下ごしらえします。
下葺きが完了したら和瓦を加工・施工していきます。
施工している箇所は右袖という部位。南蛮漆喰で高さ調整をしながら、野地から出した緊結線で固定していきます。
袖瓦を葺き直し終えたら、棟を積み直していきます。
等間隔に耐震杭を棟木に打ち込み、そこへ被覆鉄筋を緊結します。
さらにそれへ熨斗瓦と5寸紐丸瓦を全て銅線で緊結していきます。
これが耐震・耐風工法による棟の積み直し工事です。
この工法で施工した棟は加速度が掛からない1G状況下で、360°回転させても崩れない様になり、大きな地震や台風に耐える仕様となります。
棟が屋根に接触する部分はモルタルで蓋をし、全ての工事が完了した様子です。
これで棟違いの雨漏れ修理工事は完了です。
工事後3年以上経過しても雨漏れのご報告を頂戴していないことから、今回の工事は成功したようです。
今回の様に屋根全体ではなく、互換性の違った屋根材でも部位ごとの修繕が可能ですので、お困りごとがございましたら、なんなりと弊社「やねうち」までご相談ください。